本日の読書会のふり返り。
「第4章 全体像を捉える」を読みつつワークショップ形式で行いました。
この章では3章で説明のあったインセプションデッキをひとつずつ理解して具体的に作成していくことを目的としています。
ちなみに、インセプションデッキとはプロジェクトの全体像が把握できるように10個の設問を作成し、それぞれを1枚のカード(スライド資料)にするものです。これからスタートするプロジェクトにおいてチームおよびステークホルダで認識をそろえることを目的とします。また、プロジェクトの進行状況によっては改訂する必要もあります。
- 我われはなぜここにいるのか?
- エレベーターピッチを作る
- パッケージデザインを作る
- やらないことリストを作る
- 「ご近所さん」を探せ
- 解決案を描く
- 夜も眠れなくなるような問題は何だろう?
- 期間を見極める
- 何を諦めるのかはっきりさせる
- 何がどれだけ必要なのか
で、本日は仮のプロジェクトを想定して「我われはなぜここにいるのか?」と「エレベーターピッチを作る」について学びました。
- 「我われはなぜここにいるのか?」
ここで思ったのは、例えば業務系システムを開発する場合、開発側の人は現場(いわゆるエンドユーザの作業場所、環境)に出向くケースが少なくて、現場に行く人は限られていたり、あるいはステークホルダ側の担当者も特定の人に固定されていて、現場を知らないまま進行していくケースが多いのではないかということです。本に書いているトヨタの設計事例や請求書発行の事例など、チームのメンバーがそれぞれ現場に行って実際に見ることで何が必要かということをしっかりと把握できると思います。そして、それを体験して終わり、ではなくて、1枚のカードに簡潔にまとめておくことが重要です。 - 「エレベーターピッチを作る」
ここでは、上の「..なぜここ..」を踏まえてプロジェクトの本質を簡潔に明確に表現します。
例えば、営業的な立場の人は、顧客にプレゼンテーションを行う場合に、このエレベーターピッチ的な資料を作るケースが多いと思いますが、開発側の人は要件とか機能定義から始まってしまうケースが多いのではないでしょうか。さらには、技術的な専門用語を書き並べたものとか。
どうしても普段の仕事柄そのようになりがちですが、ここではそのような専門用語を排除して特に業務やシステムに関する知識がない人にとっても明確にその必要性が伝わるようにまとめる必要があります。
時間の都合もあって、それぞれを仕上げるところまではできませんでしたが、今回勉強会に参加した皆さんは普段のお仕事の中でそれぞれ問題意識を高く持っていらっしゃるようで、いろいろと意見交換ができて充実した内容になりました。
私自身、これまではざっと本を読んで行く程度でしたが、次回からはもう少し下調べをしていくこと、それと与太話で脱線をしないようにしたいと思います。