Skip to content

情報通信業の中分類データを追加 - 企業ベースと事業所ベースの数値ギャップから見える構造転換

This content is not available in your language yet.

都道府県別産業構成比の変化(2012年→2021年)で、情報通信業比率の低下幅が徳島県・愛媛県・福岡県で全国上位3位でした。この3県で何が起きているのかを、統計表を変えて掘り下げてみました。

要因は、既存チャートが使っている統計表が企業単位の集計だったことにあります。企業の常用雇用者数は本社所在地に計上されるため、地方拠点が東京本社の支店であることが多い情報通信業では、実際の雇用の姿と乖離しうるという問題です。

同じ経済センサス-活動調査には、実際に働いている場所に計上する事業所単位の統計表もあります。しかも産業中分類(通信業/放送業/情報サービス業/インターネット附随サービス業/映像・音声・文字情報制作業)まで分解されており、2012年・2021年とも中分類コードが一致するため経年比較が可能でした。

企業ベースと事業所ベースの数値ギャップ

セクション「企業ベースと事業所ベースの数値ギャップ」

3県について、情報通信業の常用雇用者数の増減率を企業ベース・事業所ベースの両方で比較すると、いずれも事業所ベースの方が減少幅が小さく、福岡県は事業所ベースだとむしろ増加していました。

※企業ベースと事業所ベースは集計方法が異なる別の統計表であり、実数の水準を直接比較することはできません(下記の中分類チャートも同様)。ここでは同一県内での増減率の違いを比較しています。

福岡県では、企業ベースでは-12.8%(45,748人→39,882人)の減少に見えるのに対し、事業所ベースでは+11.7%(53,115人→59,327人)と増加に転じます。本社機能の東京集約が、地方の実態の雇用動向を過小評価させていた可能性があります。

情報通信業を5つの中分類に分解し、事業所ベースで増減率を見ると、3県に共通する構造転換が見えてきます。

  • 通信業(携帯キャリア等の店舗・拠点)は3県とも-36〜-60%と大きく減少
  • インターネット附随サービス業(データセンター、クラウドサービス等)は3県とも大幅に増加
  • 情報サービス業は愛媛県・福岡県で増加した一方、徳島県では減少しており、県によって濃淡がある

携帯キャリアの店舗網再編などで店舗型の通信業が縮小する一方、IT・クラウド関連の事業所が増えている——情報通信業という大分類の内部で、産業構造そのものが転換している可能性を示唆しています。

全国の情報通信業 中分類別内訳(参考)

セクション「全国の情報通信業 中分類別内訳(参考)」

3県が全国の中でどう位置づくかの参考として、47都道府県すべての情報通信業を中分類別の構成比(事業所ベース、2021年)で見た内訳も掲載します。

出典: e-Stat 政府統計の総合窓口 — 平成24年経済センサス-活動調査 / 令和3年経済センサス-活動調査